keshipi's blog

いつでも自分を振り返れるために書きます

「フルサトをつくる」を読んだ感想

伊藤洋志、pha 共著の「フルサトをつくる」を読みました。

フルサトをつくる: 帰れば食うに困らない場所を持つ暮らし方

フルサトをつくる: 帰れば食うに困らない場所を持つ暮らし方

この本は両著者が和歌山県新宮市熊野という土地の空き家をシェアハウスに変えた過程と田舎暮らしを楽しむ方法を提案するものでした。

ゆるく人と繋がること

たまに覗くブログに書評が書かれていたことがキッカケでこの本を手にしました。
ぼくは茨城の実家で生活していますが、
ここでの地元コミュニティの窮屈さを感じ、長期的に穏やかに暮らせる故郷はどこだろうって頭の片隅で考えていたことがこの本を読んで少しわかった気がします。

「長期的に穏やかに暮らせる」とはなんだろうかと考えると、
ゆるく人と繋がることがぼく自身には極めて重要だと思います。
ずっと地元にいるとすでに関係性が成熟しているのでお互いの距離が近すぎて窮屈さを感じます。
距離が近いことは良いことだと思うのですが、
年に2、3回地元に帰って家族や友人に会うことの方が適度な距離感で接することができるし、
その人との繋がりに感謝できるとぼくは思っています。
近すぎる距離感とゆるい繋がりのメリット・デメリットのバランスを上手に取ることが重要なんですね。

田舎での生活

この本を読んでて思い出したのは「百万円と苦虫女」という映画です。
映画は実家を離れて各地を転々としながら生活していく若い女性の姿を描いたもので、
主人公は土地々々(主に田舎)で住込みで働き、百万円貯めたら別の場所でまた同じような暮らします。
映画では主人公は周囲の人たちとは一定の距離をとって生活するのに対して、
本ではその土地でコミュニティをつくり、そのコミュニティを最低限その土地で生活できるものにしていくところに違いがありました。
田舎ではお互いを知らないことからこそ、自然体の自分を表現しやすく、
何か始める気にもなりやすいのでしょうか。
ただ本の中でも、その土地は一箇所に限った話ではなく、その土地はいくつでも良いでしょうとのことです。

田舎では土地や家を都市と比較して圧倒的な安さで手に入れることができます。
だから田舎での暮らしは必死にお金を稼ぐ必要性は低くなるし、
畑もあるのでいざとなれば自給自足の生活でやり過ごすこともできることが魅力の一つなのでしょう。

生活の多様化

前にテレビで似たような話がやっていて、
都内に勤めている人が長野に家を買ったそうです。
長野から都内までは毎日新幹線で通勤なので、交通費はとんでもない額になるそうですが、
都内に家を買って家のローンを支払う場合と、長野に家を買って家のローン+交通費を支払う場合では月の支払額に大きな差はないそうです。
また、交通費は会社が一部負担してくれたり
最近では地方自治体が村おこしや移住者を募集していることもあり幾らかの支援を受けることができるそうでトータル安い値段で広い土地を手にいれることができるそうです。
ただ、通勤時間に関しては2時間くらいかかってしまうのデメリットはあるようです。
新幹線なので、その時間を仕事や読書など自分で有意義に使える人にはメリットが多くある暮らし方だなと思いますし、
子供ができたら自然の多い地域で育てたい、子供が大きくなれば都市で暮らすこともできるフレキシブルで意外な選択肢だと思います。